古くは安土桃山時代まで遡る江原本家は、横浜開港の頃に芳右衛門(よしえもん・1812〜1873)が繭糸商を開始し、その三男芳平(よしへい・1849〜1928)の時代に大きな発展を遂げました。 芳平は、製糸工場の天原社(てんげんしゃ)を設立し、横浜から米国向けに生糸を直輸出したほか、製糸業の発展に伴って必要であった金融業の育成などにも尽力しました。第三十九国立銀行(現・群馬銀行)頭取、貴族院議員、初代前橋商工会議所会頭、上毛倉庫社長、他各関連会社役員等を務めた他、群馬県庁移転、県農工銀行設立、県銀行協会設立などにも貢献し、当時の前橋の発展に大きく寄与したと言われています。 その後は栄次郎(えいじろう・1879〜1922)、よね(栄次郎の妻、1882〜1964)、悌三(ていぞう・1907〜1986、旧安田銀行の安田家より婿入り)、泰子(悌三の妻で双葉幼稚園(現在閉園)を設立、1913〜1994)の時代を経て、毅(たけし・1942〜2013)篤子(あつこ・毅の妻)、次いで有香(ゆか・毅の娘)へと引き継がれています。 現在の江原本家は、養蚕業の衰退に伴い本業を不動産賃貸業と倉庫業へと転換させ、主に地元と密着し地域の発展を主眼とした事業展開を図っています。 また、江原家の分家からは以下の人物が輩出されています。 |
・前橋所縁の偉人たち 江原芳平@(商工まえばし 2001.12に掲載)
・前橋所縁の偉人たち 江原芳平A(商工まえばし 2002.01に掲載)
・ぐんまルネサンス 絹 先人考34 江原芳平(上毛新聞 2007.12.02に掲載)
・県立文書館 渋沢栄一翁から江原芳平への直筆書簡(上毛新聞 2021.8.3に掲載)